realMyst Masterpiece Edition

realMyst Masterpiece Edition

ポイントクリック型ADVの名作、MYSTの3Dリメイク作realMystの再リメイク作。realMystは10年ほど前にノーヒントでクリア済(ちょっとした自慢)


物語

暗闇の中、あなたは表紙に『MYST』と書かれた一冊の本を見つけ手に取ります。
その本のページには見たことがない孤島が描かれており、見つめていると・・・なんと、絵が動き出したではありませんか!
とたん、あなたは体が吸い込まれるような感覚に襲われ、ふと気が付くと本に描かれた孤島、ミスト島に降り立っていました。

あなたはこの無人の、そして閉ざされた孤島を探索している内に図書室を訪れ、赤と青の二冊の本を見つけます。
それぞれの本の中にはアクナー、そしてシーラスという名の二人の兄弟が、何者かに閉じ込められていました。
彼らが言うには、青(赤)の本に閉じ込められたのは、自分のせいではなく兄(弟)が犯した悪逆が原因とのこと。
混乱するあなたに対し兄弟たちは、自分に協力するのならば、このミスト島から脱出する方法を教えると言います。

互いに責任をなすりつけ合う兄弟から、あなたに言い渡された脱出の条件とは・・・。


システム

謎解きはMystから、基本的なシステム回りははrealMystと変わらず。
クラシックなポイントクリック型のアドベンチャーです。


操作性

クラシック操作時は初代Mystと同じくクリックで移動するのですが、視点の移動があまり練られておらず、急に方向転換したかと思えば横や後ろにスライドしたりと少し不自然。段差を乗り越えるときにはカメラが素早く揺れるため少し酔います。
この操作時のみShiftキーで初代Mystのイメージを表示させることが可能。

自由視点操作は一般的なFPSと同じ。マウスカーソルを画面端に動かさないと視点が動かない仕様のため快適とは言えないです。
ちなみにrealMystやMyst Vではマウスを動かす→同時に視点が動くといった、ごく自然な操作感でした。


グラフィック

今で言う写実的なCGとは違い、時代を感じさせる作りですが、十分に美しいです。
多少の差異はあるものの、Mystの再現という点では素晴らしい出来栄えです。

最低設定にすると、いかにもな味のあるCGくささを醸しだして良いです。

ミスト島や一部のステージでは時間の経過より夕方から夜、そして朝へと移り変わります。

夜になると周囲が闇に包まれ暗くなり、探索が困難に。MEで新たに追加された懐中電灯はFキーで点灯/消灯を切り替えられます。
realMystでも時間の変化はありましたが、飽くまで演出であり、やや暗くなる程度に抑えていたので視界は常に確保されていました。これをゲームに支障をきたすまで暗くしたのは正直疑問です。

写真や絵等、一部のテクスチャはrealMystから流用されているため、近くで見ると粗さが気になります。


各時代

カニックの時代。言うことなし。この場所の再現性は非常に高いです。

陰鬱なストーンシップ時代。とにかく黒いです。暗いを通り越して黒いです。

セレーネの時代はシアンを基調とした透明感のあるイメージでしたが、全体的に赤みがかった色合いに。記憶との乖離が激しく、納得出来ないです。あと不自然に霧が濃い。

チャネルウッドの時代。自分はこの時代が1番のお気に入り。
自然に溢れる幻想的な風景の中で響き渡る、カエルの鳴き声と水の流れる音、鳥の鳴き声と木の軋む音。どれを取っても心地よいです


BGM/SE

変わらず。印象的な音楽はいつまでも耳に残ります。
夜間でも鳥が囀るのがやや気になるくらいでした。


総評


完成度の高いゲーム性は変わらず
realMystを洗練させたグラフィック
初代Mystとの画像比較機能

×
不自然な操作性
違和感のあるカメラワーク
一部テクスチャの粗さ
色調の変更
暗い
懐中電灯


元が名作なので特別に酷いというわけではないのですが、折角のリメイクにも関わらず今一歩といった所。
とはいえ、移植ばかりでシリーズの音沙汰がなかった中、こういった形で再びMYSTが世に出されることは素直に嬉しいです。

近々配信されるアップデートでグラフィックとシステムの改良が施されるとのことなので、期待しながら待っています。